わが国において高齢化は、これから長期にわたり徐々にではあるが確実に進んでいく。そして「日本の社会」を「人間の体」に例えて考えると、社会の高齢化に伴い、様々な問題(病気)が発生(発症)するようになる。最初は各問題に対して個々に対策(治療)を施す個別対策(対症療法)でも対応が可能である。しかしさらに高齢化が進むと、問題が頻発し個別対策では間に合わなくなる。
そこでより抜本的な解決策(根治治療)が求められるようになる。つまり社会を高齢化に対してより抵抗力のある体につくり変える必要が生じてくる。
この社会の「体質改善」によって抜本的に問題の発生を抑制、逆に高齢化を新産業創造や技術革新といったイノベーションの起爆剤とし、新たな社会の発展につなげる。その道筋を示すことによって、「明るく活力ある高齢社会」を創造することが重要となる。
目標
「明るく活力ある高齢社会」の全体像を描き、その実現に向けた道筋を提示する。
議論にあたって心掛けるべきポイント
•高齢化すなわち衰退という暗いイメージを払しょくし、夢や希望に満ち、発展可能な高齢社会をどうすれば構築できるかを議論する。
•個々の問題に対応する個別対策より、社会全体に目配りする総合政策の視点を重視する。
•できるだけ多くの国民が、高齢社会の全体像を共有し高齢社会への理解を深めことができるよう、高齢社会に関する総合的な知識の普及に努める。
円卓会議の必要性
高齢社会についてはこれまで、10人寄れば10通りの立派な各論が展開されてきた。もちろん各論を深める必要があることは言うまでもないが、それらはモザイクの小片のようで、組み上げると全体がどういう姿になるか見えない。
そろそろ大雑把でもいいから、目指すべき高齢社会の全体像を描く時期に来ているのではないか。つまり高齢社会の全体像を共有することによって、各論の位置付けがより明確になり、様々な分野あるいは分野間での議論がかみ合うようになる。
高齢社会の全体像を描くには、相互に関連のある分野間の議論が欠かせない。すなわち高齢社会について、各分野の専門家がそれぞれの分野を語るだけではなく、分野を超えて目指すべき高齢社会について互いに議論する。そして皆が共有できる、実現可能な高齢社会の全体像を創り上げていく必要がある。そのためには各分野の専門家が円卓を囲む形に配置されるのが望ましく、円卓会議が適当である。
円卓会議の進め方
•会議の構成は、最初にモデレーターを決定する。モデレーターは常任とし、総合中立の立場から、分野間の議論が促進されるよう努力する。
•会議は適当な間隔で複数回開催する。
•各回の会議には、モデレーターの意向を踏まえ、各分野から代表者をお招きする。そして招聘者は常任とせず、毎回新たに選任する。
•会議では論点を明確にし、提起された各分野あるいは分野間の課題や解決策などを議論する。特に分野間の議論がかみ合うよう工夫する。
招聘者
産・官(政)・学・民から代表者をバランスよく招聘する。
2012年3月1日 特定非営利活動法人 日本シンクタンク・アカデミー
