2015年03月23日

(アーカイブ)2013年3月  「高齢社会イベント月間」創設の提案 -すべての世代のための社会を目指して-

趣旨説明

高齢化最先進国日本では、毎年9月の第3月曜日が敬老の日となったのに伴い、9月15日は老人の日、9月15日~9月21日の1週間は老人週間と定められた。
この期間を拡大し、人生90年時代にちなんで、毎年9月10日~10月9日の1ヶ月間を、高齢社会の様々な課題解決を目指し、若者から高齢者まで、すべての世代の国民が「明るく活力ある高齢社会づくり」について考え、参加する「高齢社会イベント月間」と定める。
すなわち「高齢社会イベント月間」に、様々な啓発イベント、展示イベント、運動イベント、交流イベントなどの開催を集中させ、「すべての世代にとってよりよい高齢社会づくり」に対する国民の関心を喚起し、理解を深めてもらうことを目的とする。
なおこの期間には、国際高齢者デー(毎年10月1日)も含まれ、日本だけではなく世界の注目も集めやすくなることが期待される。


イベントの例

啓発イベント → フォーラム、シンポジウムなど
展示イベント → シニアエキスポ、シニアビジネスショーなど
運動イベント → ウォーキング大会など
交流イベント → 若者と高齢者の討論会、高齢社会円卓会議(産官学民の代表)など

背景

高齢社会対策大綱(目次)
第1 目的及び基本的考え方
第2 分野別の基本的施策
第3 推進体制等
1 推進体制
2 推進に当たっての留意事項{(1)~(4)は省略}
(5)高齢社会対策の推進について広く国民の意見の反映に努めるとともに、国民の理解と協力を得るため、効果的な広報、啓発及び教育を実施すること。
3 大綱の見直し

2013年3月4日 特定非営利活動法人日本シンクタンクアカデミー理事長 岡本憲之
posted by 毎月コラム at 09:53| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

(アーカイブ)2013年1月  団塊世代の活躍は「食力」から -メタボよりサルコペニアに注意

 先月、東京大学高齢社会総合研究機構が主催するシンポジウムに参加した。その中の飯島勝矢准教授の講演を聴いて、虚弱化の代表的現象として「加齢性筋肉減少=サルコペニア」と呼ばれる症状があることを知った。今では「過栄養=メタボ」という言葉を知らない人は少なくなったが、サルコペニアという言葉を知っている人は多くないのではないか。

 講演で紹介された話だが、70歳以上のアメリカ人7,527例を対象とした8年間の追跡調査によると、累積生存率は「肥満」と「標準体重」に大きな差はなかった。しかし、「痩せ」は「肥満」や「標準体重」よりかなり低い生存率であったという。

 一般に高齢になると筋肉量と骨量が減少してくる。特に高齢期も75歳を過ぎると、うつや多剤服薬など食欲減退因子が増え、いわゆる「食力」が落ちてくる。したがってメタボを意識したカロリー制限よりも、むしろ食力アップが必要になるらしい。高齢期における不健康な食習慣は、運動器・咀嚼力の低下を招き、筋肉量の減少につながる。ひいては運動器の障害、栄養の障害、口腔の障害を引き起こし生活機能が低下、要支援や要介護状態に陥りやすくなるという。

 高齢者にとってメタボも問題だが、それ以上にサルコペニアが問題である。すなわち過栄養もダメだが低栄養はもっとダメである。もしかしたら低栄養より過栄養に近いところにちょうど良い食力があるのかもしれない・・?

 結局、シンポジウムの講演者が高齢者に対して注意を喚起していたことは、からだの虚弱化(筋肉減弱)は食の虚弱化から始まるということである。そして食の虚弱すなわち食力の低下を食い止めるためには、いつまでもしっかり噛んで食べ、しっかり歩くことが肝要であるとも強調していた。

 さて、団塊世代の先頭が去年65歳に到達し、いよいよ高齢者の仲間入りを始めた。その団塊世代には、社会を支える新たな高齢者像を期待する向きも多い。そして団塊世代が活躍するためには、高齢期の健康維持が何よりも大切である。

 団塊世代の多くはこれまで、健康診断などで食べ過ぎをたしなめられてきたのかもしれない。脳卒中や心筋梗塞の要因と考えられているメタボ(=メタボリックシンドローム)にならないためである。しかし、東京大学のシンポジウムで飯島准教授が強調していた「食力」は、まだ筋肉減少に至るほど歳を重ねてはいない団塊世代に対して、ダイエットなどのやり過ぎをたしなめているようにも感じた。

 いずれにしても団塊世代には、これからの高齢期を大いに活躍してもらうために、少なくとも低栄養にはならないように注意してもらいたい。それこそが、科学的根拠のある筋肉づくりのスローガン「食力アップ」を健康増進のための国民運動にまで広げたいという、シンポジウムの講演者の願いに応えることになると思う次第である。

2013年1月8日 特定非営利活動法人日本シンクタンクアカデミー理事長 岡本憲之
posted by 毎月コラム at 09:49| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

(アーカイブ)2012年9月  日本で平和革命は可能なのか -維新八策に思う-

 橋本徹大阪市長が代表を務める地域政党・大阪維新の会が先月31日、次期衆院選の公約「維新八策」の最終版をまとめたことが報道された。その主な項目は以下の通りである。
•日米同盟を基軸に、日本の主権と領土を自力で守る防衛力と政策の整備
•衆院の議員定数半減
•国会議員歳費と政党交付金の3割カット
•首相公選制
•道州制
•消費税の地方税化と地方交付税の廃止
•地方公務員の政治活動の規制強化
•中央省庁次官・局長級幹部の政治任用
•年金は積立方式に
•ベーシックインカム(最低生活保障)的な考え方を導入
•環太平洋経済連携協定(TPP)への参加
•廃止を視野に参院の抜本改革
•ネットを利用した選挙活動の解禁
•脱原発依存
•全ての領収書の公開を含む、政治資金規正法の抜本改革

 これら維新八策だが、国会議員にとって部分的には賛成できても、全ての政策に賛成するのは非常に高いハードルである。それは各政策それぞれが、必ず何らかの既得権益・既得権力と正面衝突するからである。実は維新八策の完全な実施は革命と言っても過言ではない。

 ところで過去の日本における革命は常に武力(暴力)革命であった。平安末期における貴族社会から武士社会への移行は、武士の持つ武力が決め手になった。幕末から明治への維新も、黒船という外圧と薩長を中心とした武力が背景にある。さらに戦前から戦後への体制変化も、米軍という外からの武力がもたらした。

 今回の維新八策が目指すのは明らかに革命と呼べる。しかし今の日本において革命は、武力によってではなく、平和的になされなければならない。果たしてそんなことが、この日本で可能なのだろうか。一部に中東で起きたアラブの春と呼ばれる反体制運動を引き合いに出す向きもあるが、日本は全く事情が異なる。アラブの春は一握りの独裁政権に対して、ほとんどの国民が反旗を翻したから成し得た革命である。一方の日本は独裁国家ではない。革命的反体制運動に民意を結集するのは極めて困難と言わざるを得ない。

 それでも維新八策が成就する可能性はゼロではない。決め手になるのは日本の行き詰まりである。それが今後どこまで進むかによって可能性が出てくる。少子高齢化で社会保障が行き詰まる。税収不足で財政が行き詰まる。中国などの台頭で日本の外交や安全保障が行き詰まる。何もかもが行き詰まって、大多数の国民が維新八策を支持するようになったとき、日本で初めて平和的な革命が実現するのかもしれない。

2012年9月3日 特定非営利活動法人 日本シンクタンク・アカデミー 理事長 岡本憲之
posted by 毎月コラム at 06:54| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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